狭い家に遊び道具を詰め込むため、屋根裏収納を自作で制作しました。階段をつけると固定資産税的に問題となるので、折り畳みの梯子(ハシゴ)を取り付けました。
2階の上と、平屋部分(玄関と風呂場の上)の2か所、作成しています。
作業は、涼しい時期から寒い時期に行った方が良いです。屋根裏は猛烈に暑いです。
2階の屋根裏収納
2階の屋根裏にはトステムの折り畳み梯子を取り付け、如何にも屋根裏らしい屋根裏収納を作りました。
最初にやる事
まずは、屋根裏に潜りこみましょう。製作が、どの位の大変かは分ると思います。 屋根裏に潜り込めば、雨漏りの跡や、湿気具合もわかるので、メンテナンスの観点でも良いと思われます。また、断熱構造や天井構造で屋根裏加工が難しい場合は、ここで判断できると思います。
屋根裏に潜りこむ
旧式の一般木造住宅だと、押し入れの戸袋の上天井を押せば動く様になっている所があって、そこが点検口になっている事が多いです。
天井材は全く強度が無いので、そこに手や足を掛けると破れたりするので、太い梁の上だけを移動しましょう。
梯子を取り付ける場所を決める。
既製品の折り畳み梯子には、木枠と扉がついていて、それを丁度固定できる場所探しが必要です。
取り付けたのはトステム(現LIXIL)の折り畳み梯子です。
↑ 折り畳み屋根裏梯子の枠で、赤で囲んだ部分に簡単に梯子を取り付けられます。バラバラに屋根裏に上げ、枠を固定してから梯子を取りつけた方が楽です。
梯子の取り付け
場所が決まれば、穴を空け、梯子を取り付けます。古い家なので、木と石膏ボードの天井となっていました。石膏ボードのジグソーでの切断は粉まみれになり大変です。 準備は色々してありましたが、土日の2日間で階段の取り付けは余裕で完了しました。
天井の開口(穴開け)
穴あけは大きさがピッタリになる様に気を使いたいところでしたが、屋根裏の大梁(水平の太い柱)の上で不安定な体勢でジグソーで切るのでチョット大変で、ボロ隠しが必要な状態になりました。
天井は石膏ボードなので、うまく体を支えながら切らないと、バッキっと折れてしまったらやばいし、落っこちたら怪我するし。。。。
下からジグソーをあてると石膏ボードの粉があまりに凄そうだったので、天井側からジグソーを入れるのが良かろうと判断しましたが、天井を切り落とした時は、大きな板の落ちた音やホコリで大騒ぎでした。今にして思うと、四隅だけ天井側から、ドリルで穴を開け、下側からそれを元にケガキ、ホコリ対策をばっちりして、下から切った方が無難かと思います。
取り付け寸法の微調整
梯子の木枠が取りつくように柱から、赤枠に示すスペーサー(台座)を貼り付けます。
端材の木の厚みで調整しました。
梯子の搬入
梯子搬入に滑車を用意し屋根裏へ搬入しました。早めに電灯も設置しています。(電気工事士の資格は取得済み)
L字金具で仮止めします。純正で付属していた物はチョット我が家には寸法が合わなかったので、別途購入した物を取り付けました。これが無ければ取り付けは非常に困難と思われます。これで仮固定してスペーサーの木切れの厚さを調整してビス固定します。
梯子の取り付け完了
床貼り
梯子を付けた後は、最低限、荒床を作らないと物が置けません。 ここからは床作りです。
根太渡し
梁の間隔が90cmで根太を渡しやすい所から床を貼って作業スペースを作ります。
物置きなので割り切って、杉板構造合板を利用。3×6(サブロク)を縦に2分割して柱をよける加工をして、敷いていきます。
梁の渡し
2×4材と2×4の金具(シンプソン金具という)を使って手を抜いて大梁の代わりにしました。
床板を貼っていきます。この際、拘ったのは下項にも書いた、壁内換気を考え隙間を空けています。箱に入れて荷物を保管すれば、小さなものは落とすことは無いという前提で考えました。 (ドリルの刃とか落として失いましたが、、)
以上で、2階の上の屋根裏収納作成紹介は終わりです。断熱と換気は下項にて紹介します。
屋根裏に換気と断熱材は必要か?
屋根裏は兎に角、暑いです。個人の判断ですが、換気を良くすることはお勧めしますが、断熱材は冷暖房を入れるのでなければ、お勧めしません。一方、屋根裏部屋として利用し冷暖房を入れるなら断熱材は必須かと思います。
理由は、断熱材は熱を伝えるのを遅くする事は出来ますが、完全に遮断することはできず、屋根裏室温が上昇するのを遅くしたり、その結果、最高気温を少し下げる事はできますが、大きな効果は期待できません。 屋根材からの輻射を抑えられるのでは?という意見もあるかと思いますが、赤外線放射効率は木材も断熱材もあまり違い無いと考えています。
それに比べ、自然換気、強制換気を問わず換気が良ければ、換気効率に従って外気温に近くすることはできます。(確実に外気温よりは高く、実際には棟換気までつけて少し下がるレベルですが、、)また、住宅構造にもよりますが、屋根裏の換気が良いと、暖かい空気は上に上がるので、部屋の壁と壁の隙間から、床下の冷たい空気がスゴイ勢いで上がって来て、床下の換気良くしたり湿度を抑えるのにも役に立つと考えます。(中古住宅の有料診断を受けている建築士さんの受け売り入ってます)
屋根裏と床下の換気はまた別途紹介したいと思っています。
屋根裏と耐震性
屋根裏に重量物を上げたり、そもそも、板を貼ったりすれば、その分重くなり、家の重心が高くなり、耐震性には良くない方向に働きます。 どこまでなら誤差なのかは良くわかりませんが、自己判断でお願いします。
平屋部分(玄関と風呂場の上)
我が家には玄関と風呂場の部分が平屋になっていて、その上の空間が結構あり、ここにも収納を制作しました。 この収納を作るきっかけとなったのは、実家を畳む事になって、親が残した木材を利用し、遺品を収納するスペースを作る事でした。 (実家は、40年近く前に、親が色々拘って、親類の森でヒノキなどの材木を選んで、田舎大工さんに作ってもらったのですが、思い入れがあったのか、その時の残材が物置小屋に結構な量で残っていたので、それを有効活用するところから始まったとい訳です)
平屋部分 完成後動画
まずは動画から。 狭くて良く全体が写真では分からないので、動画にしました。
調査~穴あけ
ユニットバスの天井の点検口からスペースを確認したところ、奥の銀色の断熱材の反対面が下の写真の2階の階段を上がったところ
ここに穴を空け開始するのですが、まず柱をよける為、この様な道具を使います。
左が針を刺すタイプで、右が超音波です。超音波タイプでも柱と壁の間に1cm位の隙間がある場合も検出できるはずなのですが、微妙な判定差となり判別が難しいです。 針の後がわずかに残りますが、石膏ボードの場合、左の安価なものの方が頼りになります。
梁渡し(ちょっと工夫しました)
ユニットバス上空はかなり広いものの、(ユニットバスは結構高さが低い)その他の玄関部分は屋根裏の高さがあまりなく、体が入らず奥側の作業が困難でした。そこで、ちょっと頭を使って、引っ掛ける梁に仮固定の板をビス止めし、採寸したり本固定したりしました。
ユニットバスの上は巨大な空間なのですが、足場がなく、どの様に梁&根太を渡すか悩んだ末、ある程度、量があったヒノキの10x5cm位の角材を使って、なんちゃってホゾ加工を行い、大梁から一段低い位置に梁を作る仕掛けを作成。これを使って、足場というか土台を作りました。将来のユニットバス入れ替え作業の為のスペースとして30cm弱は空けてあります。(30cmで十分かどうか自信はありませんが、ホテルのユニットバス等は、隙間の余りない所にも入れているとの情報もあり、エイヤで30cm位確保しました。)
この仕掛けを目測で仮に作って仮の台として使い、精測して再度寸法をはじきだし、丈を詰め直して調整するという面倒な事を行いました。
床貼り&扉
フローリング加工の残材やら今までの残材、家具を壊してとっておいた板などを集めて、パッチワークの様に床を貼りました。平屋部分の新規コストは2000円かかってないです。ネジからL字アングルまでよく色々あったもんです。
2階廊下の下のスペースも長尺物が入れられそうなので、50年前の折り畳み机の天板を加工して物を入れられる様にしました。お遊び程度ですが、ギャラリーにしたので、興味があればクリックorタップして拡大してコメントも見て下さい。
扉の加工は、石膏ボードの切り口のボロ隠しには、プラのL字アングルを貼り付けました。同じ黒色だけど、幅の違う残材も、丸ノコでほぼ正確に幅をそろえました。 扉の化粧板は実家の階段の側壁に使われていた板の残材を活用し、合板に貼り合わせ扉にしました。
階段の斜度に沿った斜めの部分も有効活用する為、取り外し可能な透明の仕切り版も設置しました。
アクリル板も実家の発掘品ですが、かなりの年代物で剥離剤がうまく剥がれず、風呂場で残り湯に浸けて取りました。
平屋部分はダクトファンだけは購入しましたが、それ以外はダクト管含めて残材でほとんど賄えたので、2000円も掛かりませんでした。
長文最後までお読みいただきありがとうございました!